事務局の藤田です。
今回のレポート、どうにも自分の中ではしっくりこない部分があり、まとめ方を迷ってました。
■ 読んだ本
『ディズニーランド流心理学 「人とお金が集まる」からくり』 山田 眞
紹介されていた具体事例の中から、自分がピックアップしたもの。
・セイル・アウェイに一緒に出演するために、ディズニーアカデミーにおいて、演技指導まですること
・永遠に成長を続ける、アトラクションひとつにしても常に改良が重ねられている
・待たせる時間さえも、エンターテインメント化させる仕組み
・「夜でしか見れない」「夜にしか、その価値を味わえない」エレクトリカルパレード
・おみやげとして、それぞれの物語に出てくるものを売っている
・子供のゲストと話す時に、ひざまずいて応対させることの研修方法
・カストーディアルの掃除方法のパフォーマンス化
これらを踏まえて、すごいと思った点。
1.あらゆる場面で「神は細部に宿る」ことを徹底させている
2.サービスレベルを継続的に提供できる仕組み作り
3.キャストにルールを教えるのではなく、理念を理解させて、考えさせている
■ 実際に行ってみて
僕は東京ディズニーランドがはじめてだったので、かなり期待してました。
で、実際に行ってきた感想としては、ひとつひとつのサービス内容に感心はするのですが、それ以上でも以下でもなかった、と言いますか。
ナベが書いていたように思い入れがあまりないのは、まあ、そうですし、感受性が悪いと言われれば、そうかもしれません。
ただ、思い入れがないのであれば、
『なぜ、そこまでキャストが意欲的に働き、ホスピタリティを発揮することができるのか?』、
その理由について、フラットに考えることができます。
■ 面積に対するキャストの人数が多いから、十分なケアができるのか?
ナベが指摘していた、『それ以上にキャストが多いことで、気づくことや対応できる部分が多いってこともあるんじゃないかな?』という部分。
これは確かにそうで、少人数でやっていては、ホスピタリティの質を上げられても、量をカバーすることができません。手が届かないところがあれば、ゲストは気づいてもらえないこととなり、サービスに不満を持つことにもなります。
そこで、いったいどれくらいの密度でキャストがいるのかを出してみます。
『カストーディアルと呼ばれるそうじ係は園内に約六百人。五人ごとのチームを作り、一チームが約二ヘクタールを担当、十五分で一周し、二時間ごと十五分の休憩をする。この方式で絶え間なくゴミを拾うだけでなく、園内八百六十ヵ所のゴミ箱自身もみがきあげる。』(ディズニーランドの経済学/P.83より)
上記は開業当初の本なので(1987年2月出版)、ちょっとデータは古いですが、ここからカストーディアル1人当たりの担当面積を出してみます。
【カストーディアル1人当たりの担当面積の出し方】
園内に約600人で、5人ごとのチームなら、約120チームがいることになる。
15分で1周し、2時間ごとに15分の休憩ということは、園内を8周して1回休憩となり、
8/9のチーム、約106チームが常時、回っているということになる。
1チームが約2ヘクタール担当ならば(20,000m2=100m×200m、約6,060坪)、
1人あたりの担当面積は、4,000m2(40m×100m、約1,212坪)となるが、
46ヘクタール(オープン当初の面積:現在は51ヘクタール)を2ヘクタールで割ると、23チームだけ園内に出ていれば良いこととなる。
これは完全に2ヘクタールごとに、1チームのみが担当しているワケではなく、
時間差で出発して、重複している部分があると考え、重複度合を見てみる。
常時、約106チームが回っているのであれば、2ヘクタールあたりの重複は、
106チーム/23チーム=約4.6チーム、約23人となり、
1人あたりの担当面積は、20,000m2/23=約870m2(30m×29m、263.6坪)となる。
(全面積のうち、アトラクションもあるので、実際はこれの半分くらいか?)
この30m×29mというのは、なんとなく納得できる広さに思えます。
だいたい、片側2車線ずつの交差点より、少し大きいくらいの広さに相当し、これくらいであれば、カストーディアル同士の認識ができ、また、たつ兄の書いていた、ポップコーンを3分で掃除するのもワケはないでしょう。
ただし、これを行うにはナベの指摘どおり、カストーディアルだけでも1時間につき、63万円のバイト料が必要になるのですが。(現在のバイト料、時給:1,050円で計算)
また、この密度でカストーディアルがいることによる、副次的効果の方も大きいのではないかと思います。
迷子をすぐに発見したり、ゲストに対するケアもそうですが、互いに認識ができるということは、仲間が見てるから頑張ろう、仲間の頑張る姿が見えるから頑張ろうということにつながり、モチベーションが高くなる理由になるのではないでしょうか。
■ キャストの時給が高いから、意欲的に働くことができるのか?
『ディズニーランド流心理学 「人とお金が集まる」からくり』(2002年8月出版)によると、「東京ディズニーランドのアルバイト料も時給八百円から九百五十円までで、滅茶苦茶高いわけではない。」と書かれていますが、現在のキャスト募集のページを見てみると最低時給は1,000円からとなっています。
少しづつだとは思いますが、7年間で最低時給が200円も上がったのは、おそらく2001年にディズニーシーが開業して以来、アルバイトを確保するのがこれまで以上に大変になったからでしょうか?
また、時給アップだけでは追い付かないのか、2008年の2月には若い人だけでなく、年齢上限なく募集しています。
TDRのアルバイト面接会/「団塊の世代も積極的に」
時給が高いことによって、募集人数が集まりやすくなったり、継続して働いてもらいやすくはなりますが、少なくともシーができる2001年までは、それほど高かったワケではないので、お金がモチベーションにつながったワケではないと考えられます。
(レポート2に続きます)
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